[Webインタビュー]

(2013/10/23)

【第30回】ダウ・ジョーンズとベンチャー・データベースの相互利用で業務提携したジャパンベンチャーリサーチが目指すもの

 北村 彰(ジャパンベンチャーリサーチ 社長)
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ダウ・ジョーンズとの提携の狙い

―― 2013年8月、ジャパンベンチャーリサーチはダウ・ジョーンズ(米国本社)とベンチャー情報サービス事業で業務提携をしましたが、この狙いは?

 「この提携によって、これまでグローバルなレベルでは閉ざされていたと言っていい日本のベンチャー企業情報が初めてダウ・ジョーンズのデータベース『Venture Source(ベンチャー・ソース)』に取り込まれることで、世界中の投資家、ベンチャーキャピタル(VC)等に開示することが狙いです。ダウ・ジョーンズは、ベンチャー企業の投資家情報、成長とビジネスモデルなどをデータベース化し、ベンチャーキャピタリスト、プライベートエクイティ(PE)ファンド、投資銀行、企業のM&A担当者向けに提供するサービスを展開していますが、『Venture Source』は、主に米国、ヨーロッパ、中国、インドなどの海外のベンチャー企業情報に強みを持ち、世界中で利用されています。日本のベンチャー情報については、これまで整備されていなかったために、世界から取り残された形になっていました。したがって、日本のベンチャー企業にとってこの情報公開は極めて大きな意味を持ち、グローバル化にチャレンジする日本の有望なベンチャー企業が世界市場へ挑戦する幕開けになると思っています。

 この提携で、JVRは保有する日本のベンチャー企業の約90%に相当する約7000社のデータを『Venture Source』に提供し、また、ダウ・ジョーンズは自社が有するグローバルベンチャー企業のデータをJVRに提供することになります。これによって、ダウ・ジョーンズは『Venture Source』にとって大きな課題であった日本のベンチャー企業情報の充実が可能となり、また、JVRも自社レポートにおいてグローバルレベルでのベンチャーファイナンス比較が可能となるほか、JVRの中核ビジネスの一つでもある日本国内のベンチャー企業の支援事業にもプラスと考えています。

 今回の業務提携の意義は、海外の投資家やベンチャーキャピタリストにとって、これまで困難だった日本の未公開企業の情報収集が『Venture Source』を通じて英語で簡単に行えるようになり、日本のベンチャービジネス投資を検討しやすくなることです。また、一方、資金調達の面で苦慮する日本の未公開企業にとっても、自社情報がダウ・ジョーンズのグローバルデータベースに追加されることで、現状では10%にも満たない海外投資家やVCからのダイレクトな資金調達の機会が広がることが期待できます」

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