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[【クロスボーダーM&A】「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」を読む(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]

(2018/08/01)

【第5回】行動4 買収ありきでない成長のための判断軸

汐谷 俊彦(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 シニアマネジャー)
  M&Aは、成長を実現するための手段だったはずが、いつの間にかM&Aのディールをクローズすることが目的化してしまうということが、しばしば起こりがちである。今回は、どうすれば、こういった近視眼的な意思決定や行動に陥ることを防ぐことができるのかを考えてみたい。

  そもそも買収プロセスの途中で、買収から撤退すべき場合というのは「デュー・デリジェンスにおいて対象会社の致命的な瑕疵やリスクを発見した」などのケースもあるが、最も気を付けるべきは「交渉の過程/入札において買収価格が想定以上に跳ね上がった」といったケースであろう。

シナジーを織り込まない

  M&Aにおいて、高値で買えば買うほど(少なくとも投資リターンの観点では)成功から遠のくという点は、改めて認識しておく必要がある。一方で、どこまでが高値で、どこからが高値ではないのかの判断は非常に難しいのも事実である。会社の適正価格は一物一価ではなく、自社のもつ経営資源(いわゆるシナジー)によって変化するものであり、また競争環境の変化によっても、適正な価格は刻刻と変化するものだからだ。

  シナジーを見込まないというと、そもそもそのような価値算定で「買収できる会社はない」であるとか、「買うべき会社も買えなくなる」という反論はその通りであろう。シナジーを見込まずに価値算定をするということを一律にルールとして適用することは不適切だといえる。それでも、シナジーを見込めば見込むほど失敗確率が高まるという事実は改めて認識しておく必要があろう。実際に失敗企業ほど不確実なシナジーを買収価格に織り込んで買収に至っている。

[ 図1 ]




  買収前に見込むシナジーはその性質からいってそもそも不確実性の高いものであり…


デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

■筆者略歴
汐谷 俊彦(しおたに・としひこ)
コンサルティング会社、事業会社企画部門を経て現職。
日本企業による海外企業買収にかかわるM&A/PMI、日本企業の海外投資/進出に関する経験多数。
M&Aを基点にした企業変革、グローバル戦略、事業再編に強み。その他事業戦略立案などを主に経験。





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