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2017年4月号 270号

(2017/03/15)

M&Aの経験効果

 内田 交謹(九州大学大学院経済学研究院 教授)

  日本のM&Aを振り返ってみると、1997年の純粋持株会社解禁や1999年の株式交換制度、株式移転制度の導入等を契機に、 M&A件数が大幅に増加したことが知られている。レコフデータによれば、たとえば丸紅は 1997年から2014年の間に51件のM&Aをアナウンスしており、2002年を除いてM&Aをアナウンスしなかった年がない(検索条件をM&Aとし、形態が合併あるいは買収と分類されている取引に限定している)。この20年の間、日本企業はM&Aの経験を蓄積してきたと言えるだろう。
  では、頻繁にM&Aを実施する企業は高い成果をあげているのだろうか。実は米国の先行研究では、企業がM&Aを繰り返し実施した場合、アナウンスメント時の株価反応が次第に低下すると指摘されている。たとえば、Billet and Qian (2007) は1980年~2002年にアナウンスされた米国国内M&Aについて、アナウンス前後3日間の株価反応(実際の株式収益率からM&A発表がなくても得られたであろう期待収益率を控除した値)を分析し、CEOにとって初めてのM&A案件については株価反応が-0.12%(統計的にはゼロと異ならない)だったのに対し、2回目以降のM&A案件については株価反応が-1.5%で、統計的に有意にマイナスであったと指摘している。この結果は、経営者がM&Aの経験を重ねるごとに自信過剰になると解釈されている。
  一方、経験は学習効果を生むはずである。M&Aを成功させるには、シナジー効果を予測して適切な買収価格を設定する必要があるため、企業内に専門知識を蓄積する必要がある。直感的には経験を蓄積することで学習効果が得られれば、M&Aの失敗を減らすことができると思われる。

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