レコフデータは1985年以降のM&Aデータベースを構築しています

キーワード 一覧

[Webインタビュー]

(2019/06/13)

【第106回】【Coral Capital】シリコンバレーの有力VC「500 Startups」の日本メンバーが新たなファンドを立ち上げた理由

James Riney(Coral Capital 創業パートナー CEO)
澤山 陽平(同 創業パートナー)
foto
左から澤山 陽平氏、James Riney氏
「コーラル・キャピタル」立ち上げの経緯

――  James Riney(ジェームズ・ライニー)さんと澤山陽平さんは、2016年2月に米国のベンチャーキャピタル(VC)、500 Startupsの日本向けファンド「500 Startups Japan」を立ち上げました。500 Startupsは、世界60カ国以上で2200社以上に投資を行っているシリコンバレーの有力VCですが、19年3月お2人は500 Startups Japanのスタッフとともに、新たに「Coral Capital(コーラル・キャピタル)」を設立し、Coral Capital II, L.P.(以下Coral Capital 2号ファンド)を組成しました。1次募集で、ファンド総額(出資約束金額の総額)が目標の50億円に達したということですが、コーラル・キャピタルを立ち上げた経緯について聞かせて下さい。

澤山  「私とJamesが、米国の500 Startupsのサポートを受けて、16年2月に500 Startups Japanの1号ファンドを組成した狙いは、シリコンバレーのノウハウを日本に持ち込むことでベンチャー企業を支援しようということでした。みずほ銀行や三菱地所などの出資を受けて3500万ドル(約38億円)のファンドを組成し、シリコンバレーで、創業間もない企業がより簡単により早く、より起業家にとって有利に資金調達できるように考えられた、新たな資金調達手法である『コンバーティブル・エクイティ』*という仕組みを、森・濱田松本法律事務所の増島雅和先生、KPMG税理士法人にご協力いただいて、日本の法制度や税務に合わせて導入しました。同時に、その契約書を無償で公開して、誰もが自由に使えるようにしました。

  さらに、日本では起業家向けの情報がまだまだ足りないと感じていたため、様々なノウハウやリサーチなどの独自コンテンツに加え、海外の英語記事や著名ブログ記事を翻訳して広く発信することをはじめました。また毎月、投資先起業家向けのクローズドな勉強会や四半期ごとにバーベキューやお花見といったイベントを開催するなどして、家族ぐるみで参加できる濃密なコミュニティを作ってきました」

*https://startupinnovators.jp/blog/178/
  https://coralcap.co/2017/09/j-kiss-guide-for-early-stage-startups/
  参照
 
ライニー  「500 Startupsは社名の通り、多数の企業に少額の資金を提供して成長を加速させる『アクセラレーター』として知られています。私たちが38億円の1号ファンドを立ち上げた当時は、この少額多数という投資戦略で100社ほどに投資する計画でした。しかし、その後日本でもVCが増えたことで、投資資金が『コモディティ化』してきました。そこで、投資対象を絞って、1社1社をしっかり支援したほうがよいと考えるようになったのです。具体的には、日本で投資を始めた時はシードと呼ばれる創業期のベンチャー企業は1000万円前後の資金調達が主流だったのですが、今では3000~5000万円が当たり前になっています。また、保険業や貸金業などといった今までにない事業領域にチャレンジする起業家も増えてきて、許認可の取得などで多額の資金が必要になるなど、日本のスタートアップの変化への対応も必要になりました」

澤山  「日本でもここへきてスタートアップが増えてきているとはいえ、やはり米国と比べると絶対数ではまだまだ少なかったり、またエグジットの規模も違います。そこで、日本ではどちらかというともう少し投資金額を集中させて、その代わり支援をその分手厚く行っていくというスタイルの方が合っているのではないかと考えるようになったのです。1号ファンドの投資を行いながら、支援スタイル、投資戦略を見直す中で、500 Startupsのグローバルな投資戦略との間にズレが生まれるようになっていたのです。そこで、米500 Startupsの経営陣とも協議して、新たなブランドでのVC設立を認めてもらったというのがCoral Capital立ち上げの経緯です」

ライニー  「この3年間で我々が独自にやってきた投資手法を活かすために、Coral Capitalという形で“リブランド"したと言った方がいいかもしれません。したがって、500 Startups Japanの全メンバーがCoral Capitalに参画しています」

1号ファンドの既存投資先のフォローも続ける

――  それで、Coral Capitalが新たに立ち上げたファンドも「2号」になっているのですね。ところで、1号ファンドの既存の投資先についてはどうされるのですか。

ライニー  「1号ファンドでは宇宙ベンチャーのインフォステラなど43社に投資し、事業譲渡などによるエグジット案件は3件となっています。500 Startupsとは袂を分かったわけでなく、これからも良好な関係を続けていきますので、1号ファンドの投資先については、引き続き私たちが支援を継続し、今後の新規投資はCoral Capitalを通じて2号ファンドから行うということになります」

――  2号ファンドのLPとしては、どのようなところが出資していますか。

ライニー  「主な出資者は…


続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。
ご登録がお済みでない方は、「会員登録」からお申込みください。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。その他の方は会員登録して下さい。

[無料・有料会員を選択]

会員登録

バックナンバー

おすすめ記事

【第106回】【Coral Capital】シリコンバレーの有力VC「500 Startups」の日本メンバーが新たなファンドを立ち上げた理由

座談会・インタビュー

[Webインタビュー]

NEW 【第106回】【Coral Capital】シリコンバレーの有力VC「500 Startups」の日本メンバーが新たなファンドを立ち上げた理由

James Riney(Coral Capital 創業パートナー CEO)
澤山 陽平(同 創業パートナー)

ヒューリック<3003>、日本ビューホテル<6097>を株式交換により買収

速報・トピックス

M&A専門誌 マール最新号

アクセスランキング

M&Aフォーラム
NIKKEI TELECOM日経テレコン
日経バリューサーチ

M&A専門誌マール

M&A専門誌マール

「MARR(マール)」は、日本で唯一のM&A専門誌で、「記事編」と「統計とデータ編」で構成されています。

レコフM&Aデータベース

レコフM&Aデータベース

「レコフM&Aデータベース」は、日本企業のM&Aなどどこよりも網羅的に、即日性をもって構築している日本で最も信頼性の高いデータベースです。

セミナー

セミナー

マールの誌面にご登場いただいた実務家、研究者などM&Aの専門家を講師としてお招きし、成功に導くポイント、M&Aの全体プロセスと意思決定手続き、実証研究から見た分析などについてご講演いただきます。

SPEEDA RECOF

SPEEDA RECOF

「SPEEDA RECOF」とは「レコフM&Aデータベース」と株式会社ユーザベースが開発・運営する企業・業界情報プラットフォームである「SPEEDA」がシステム連携します。

NIKKEI TELECOM日経テレコン 日経バリューサーチ

日経テレコン

2002年7月に、日本経済新聞デジタルメディアが運営する日経テレコンの「レコフM&A情報」を通じてM&Aデータの提供を開始しました。

M&Aに関するお問い合わせ、ご相談は
こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォーム