[藤原裕之の金融・経済レポート]
(2015/08/19)
コンビニの出店競争に異変
百貨店や総合スーパー(GMS)など大手小売企業が苦戦を強いられる中、これまで快進撃を続けてきたのがコンビニ業界である。しかしここ数年、既存店の売り上げは前年を下回り、新規出店でかろうじてプラスの伸びを維持している(図表1)。シェア獲得競争の結果、コンビニ業界は寡占化が進み、大手3社で8割超のシェアを占めるようになったが、大手3社間でも業績格差が生じている。最大手のセブン‐イレブンを除く各社の既存店売り上げは前年割れ状態が続いている。
こうしたコンビニ業界の異変は各社の出店計画にも表れている。コンビニ大手5社の2015年度の国内出店計画数は4350店と前年度より1割近く減少し、5年ぶりの前年割れとなった。セブンイレブン以外はすべて減少となった。特に至る所で出店競争を繰り広げてきたファミリーマートの出店計画の減少は、右肩上がりだったコンビニ業界の成長が一つの節目を迎えた可能性を示している。
図表1 コンビニエンスストアの売上伸び率と店舗数
コンビニの成長モデル
出店拡大の根拠となってきたコンビニの成長モデルとは…
■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現国際投信投資顧問)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
※詳しい経歴・実績はこちら
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