[Webインタビュー]

(2021/11/11)

【第131回】【林竜也・日本PE協会新会長が語る】ポストコロナの日本企業変革とPEファンドの役割

林 竜也(日本プライベート・エクイティ協会会長、ユニゾン・キャピタル 代表取締役 パートナー)
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2022年以降、企業が抱える大きな課題

―― コロナ禍を経験する中で、日本企業の経営環境について、今後どのような変化が起こると見ておられますか。

「まず大きな変化として、コロナ禍で企業の有利子負債が増えたことが挙げられます。多くの企業で、売上高が経験したことのない大きな幅で下落しましたが、コストはそれに見合うようには削減できませんから、追加借入によってキャッシュフローを支えることになりました。借入はいずれ返済しなければいけませんが、収益性が19年以前の水準にすぐに戻るわけでもありません。

 従来から欧米企業と比較して日本企業の収益性の低さが指摘されてきましたが、その一因はエクイティの規律が効かなくなっていたことにあると思います。株式市場の重要な機能に企業の成長資金を増資によって提供することがあります。だからこそ企業と市場、経営者と投資家の対話は真剣勝負となり、投資家の期待に応える経営を実現するインセンティブが働き、また選別と淘汰が進むはずですが、自社株買いなど株主還元策の比重が高くなってきている現状では、株式市場が企業経営に対する規律の起点となることは難しい。時折アクティビストの活動が極端な事例として注目されるのは、そうした状況の裏返しです。

 今後は、企業変革は待ったなしになります。コロナ禍からの回復局面においては、以前よりも収益性の下がった出発点から、成長プランを作り、それを実現することになります。エクイティと違ってデットの規律には返済という明確な時間軸が組み込まれていますから、金融機関に対してきちんと説明をし、結果を出していかなければなりません。日本社会の高齢化と少子化の進行による人口減、市場の低成長という大きな前提が今後も変わらない中で、個別の企業がどのようにして成長を実現するか。どうやって収益性を高め、あるいは事業や資産内容を見直して借入を返済していくのか。2022年以降はその戦略が大きく問われることになると見ています」...


■ はやし・たつや
1969年生まれ。1991年東京大学法学部卒業。ゴールドマン・サックス証券会社入社。投資銀行部門でファイナンス、M&A、不良債権投資などに携わった後、1998年に江原伸好氏、佐山展生氏らとユニゾン・キャピタル株式会社を設立した創業メンバー。2020年より川﨑達生氏とともに代表取締役。2021年9月日本プライベート・エクイティ協会会長に就任。

■ 一般社団法人日本プライベート・エクイティ協会
日本のプライベート・エクイティ投資の主要プレイヤーが揃う業界団体として適切な情報発信を行うことを目的に2005年8月設立。2021年11月現在の会員数は正会員47社、賛助会員48社。

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