[Webマール]

(2025/06/23)

アント・キャピタル・パートナーズ、短期間での成長を実現したビーラインのハンズオン事例

大宮 伸巧(アント・キャピタル・パートナーズ バイアウトインベストメントグループ オペレーションエキスパート)
中村 貴博(同 プリンシパル)
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大宮伸巧オペレーションエキスパート(左)と中村貴博プリンシパル(右)

大宮伸巧オペレーションエキスパート(左)と中村貴博プリンシパル(右)

アント・キャピタル・パートナーズ(アント)は2025年1月、運営する「アント・カタライザー6号投資事業有限責任組合」(カタライザー6号)の投資先で、九州を中心とした西日本でタイヤ専門店を展開するビーラインの株式をオートバックスセブン(オートバックス)に譲渡した。
カタライザー6号はアントが2021年10月に約480億円で組成したバイアウトファンドで、これまで7社に投資。ビーラインは2024年10月に4℃ホールディングスに譲渡した高級腕時計の買取・販売事業の羅針に続き2社目のイグジットとなった。
アントのバイアウトインベストメントグループでビーラインのハンズオン支援に携わったオペレーションエキスパートの大宮伸巧氏とプリンシパルの中村貴博氏に、投資からイグジットまでの詳細を聞いた。
巨大かつ細分化された市販用タイヤ業界

―― アントは2023年3月にビーラインと資本業務提携を発表しました。どのような投資経緯だったのですか。

中村 「ビーラインから話をいただいたのがきっかけです。同社は現社長の日高慎介氏が一代で成長させた会社で売上も利益もしっかりと出ていた一方、社長頼みの経営が続いていました。日高社長は会社の組織を整えながら、将来的には宮崎発の全国企業に成長していきたいとの考えでした。

 しかし、高い離職率など、組織的経営に向けて踊り場を迎えていたこともあり、体制構築と全国展開を踏まえ『単に資本を投入するだけでなく、業務提携の形でもサポートしてくれるパートナー』を探される中で声がけいただきました。

 そして我々も話を伺う中で、ビーラインが展開する市販用タイヤ市場に興味を抱きました」



■大宮 伸巧(おおみや・のぶたく)
2000年アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)入社。金融グループにて、保険会社、クレジットカード会社、リース会社等における営業戦略、業務改革、顧客サービス企画、IT戦略等のプロジェクトを担当。2005年当社入社。マイプリント、ジャパンバイクオークション(取締役)、藤二誠(取締役)、壮関(取締役)、アロスワン(取締役)、メック(取締役)、ビーライン(取締役)、ニューオークボ(取締役)において投資実行、ハンズオン支援、Exit交渉を担当。慶應義塾大学大学院理工学研究科修士。

■中村 貴博(なかむら・たかひろ)
2012年三菱地所入社。多岐にわたる不動産業務(投資、開発、運用、提案営業)に従事。2016年より国土交通省出向、都市政策(税制)の企画を担当。2018年よりMitsubishi Estate Asia Pte. Ltd.に出向、三菱地所グループのフィリピン市場への新規進出を主導(マクロ調査、合弁パートナーの選定、投資実行)。2020年より本社・戦略企画部門にて、M&Aや資本業務提携プロジェクトに従事。2022年当社入社。アミノ(アドバイザー)、ビーライン(取締役)、デザインワード(取締役)、シーエール(取締役)において投資実行、ハンズオン支援、EXIT交渉を担当。早稲田大学政治経済学部卒。

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