[M&Aの現場から]

2013年9月号 227号

(2013/08/15)

【日本アジア投資(JAIC)】――日本とアジアにまたがる総合投資会社を目指す

 細窪 政(代表取締役社長)
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細窪 政 代表取締役社長  日本アジア投資(JAIC)は1981年に経済同友会を母体として設立された。ベンチャーキャピタル投資を原点とし、スモールキャップバイアウト、PE セカンダリー、クロスボーダーグロースエクイティへと投資領域を拡大してきている。設立以後、日本及びアジア等において累計で約3200億円、約 2200 社に投資を実行し、うち 282 社が上場している。ファンド運用残高は 822 億円(39 本)。東南アジアを起点とし、日本・中華圏にも投資エリアを拡大してきた。

  同社は96年にジャスダックに株式を公開、08年6月には東証1部上場を果たしたが、リーマンショック後の世界同時不況もあって、借り入れ資金の返済計画見直しを迫られ、09年以来事業再構築に取り組んでいる。

  「膨張していたオペレーションを本当にコアのところにまとめるということで、この4年間で経営体制を絞り込んできました。2013年3月時点でこれ以上絞り切れないところまできたということで、守備体制は固めたと思っています。これからは攻めに転じたい」と語るのは細窪政社長。

  細窪氏は1961年2月3日生まれ。83年日本信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社。89年日本アジア投資に入社。91年マニラ駐在員事務所長、98年シンガポール駐在員事務所長、2001年名古屋支店長、05年執行役員、07年取締役 営業企画業務管掌兼海外業務副管掌、08年取締役コーポレートオフィスグループ管掌、09年日亜投資諮詢(上海)有限公司 (JAPAN ASIA INVESTMENT (CHINA) CO.,LTD.)董事長、11年取締役中国総支配人を経て、12年6月代表取締役に就任した。

 「昨今のアジア諸国の経済成長によって、資金・情報・人材の流れは日本からアジア諸国への一方的なものではなく、アジア諸国から日本への流れも急速に拡大し、今や双方向になりつつあります。こうした大きな環境変化の中で、JAICは今後もこれまで以上にアジア関連業務に力を入れ、日本からアジア諸国に進出する企業の支援や、アジア諸国から日本に進出を希望する企業の支援に力を入れて行きますが、事業分野については、従来のベンチャーキャピタルにとどまらず、日本とアジアにまたがる総合的な投資会社を目指します」と、細窪氏。

  上場、未上場を問わず、アジアで成長可能性のある日本の中堅企業に相応のシェアで投資を行っていく方針で、投資候補案件の発掘、アジア事業支援にJAICの既存のネットワークを最大限に活用したいとしており、今期中に100億円以上の規模でクロスボーダーのグロース投資ファンドをファーストクローズさせることを目指している。

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