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[【小説】経営統合の葛藤と成功戦略]

2013年8月号 226号

(2013/07/15)

第50回 『交渉の最後のカード』

 神山 友佑(デロイト トーマツ コンサルティング)

  山岡ファイナンスサービス社では、半年後に迫る渋沢ファイナンスコーポレーション社との経営統合の準備を進めつつ、大規模な構造改革を計画していた。本社から構造改革推進担当の出向者が新たに招聘され、構造改革プランも翌日の役員会で承認される見通しとなり、まさに実行段階に移ろうとしていた。
  そんな中で山岡FS社の統合推進事務局長である松尾明夫は、渋沢FC社の事務局長である横山友樹から電話を受け、驚くべき情報を聞くこととなった。

驚愕の情報

  山岡FS社の経営企画室長であり、渋沢FC社との統合推進事務局長も兼務する松尾明夫は、受話器を持ったまま凍り付いていた。渋沢FC社の統合推進事務局長である横山友樹は、電話の向こう側の松尾の異様な沈黙を感じとり、まずい話をしてしまったと悟った。
   「松尾さん、気分を悪くさせてしまったのであれば心からお詫びいたします。私としては貴社の野澤社長が退任される話など、全く考えもしなかったことでしたので、松尾さんにそれが事実なのかどうか、そしてもしそれが事実だとすればその理由をお聞かせいただきたかったのです。いずれにせよ失礼なことをお聞きしたことには間違いありません。こちらの非礼を何卒ご容赦ください」
   電話口で横山の言葉を聞きながら、松尾は自分の周りに何が起ころうとしているのかを考えずにはいられなかった。野澤社長から自らに構造改革プランの策定指示が出されたのは、ほんの2カ月前のことだ。プランを練り上げ、具体的な実行計画の承認をもらってからは10日も経っていない。その後急きょ本社から出向者が現れ、構造改革の実行という役割を松尾から引き継ぐこととなった。そして本日の役員会にて構造改革プランが社長議案として上程・承認され、対外的にも発表されることになっているのだ。
   「野澤社長は何をやろうとしているのか……」

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