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ヤフーやLINEを傘下に持つZホールディングス(ZHD、旧ヤフー)は10月18日、グループガバナンスの強化に取り組む方針を
発表した。3月に発生した問題を受け、ZHDが同月に設置した第三者委員会「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」(座長・宍戸常寿東京大学大学院教授)が提出した
最終報告書に沿った対応だ。
経緯を振り返っておこう。3月に判明したのは、中国の関連企業からLINE利用者の個人情報にアクセスできる状態になっていた問題や、利用者の画像・動画データを国内のデータセンターに保管していると社内外に説明しながら、実際には海外にも保管していた問題だ。政府の個人情報保護委員会はこれを問題視し、ZHDに対し報告を求めた。ZHDは第三者委員会を設置し、同委員会は3月から10月にかけて問題の根本原因を調査した。第三者委員会はこのたび公表された最終報告書の中で、一元的かつ統一的で適切な牽制体制を構築すべく、ユーザー目線での「横と縦のガバナンス」を適切なバランスで構築するよう、ZHDに求めた。
ZHDは、M&Aで巨大になったソフトバンク系の企業グループだ(図表)。2019年6月にソフトバンクの連結子会社となり、メディア、コマース、戦略(金融、AI、ヘルスケア)の3つの事業分野でM&Aを積極的に実施してきた。同年11月にはZOZOを連結子会社化。21年3月にはLINEとの経営統合を完了し、
現在もM&Aを有力な経営戦略としている。直近の株式時価総額は10月25日の終値ベースで約5兆1000億円と、東証1部上場企業の26位に位置する。
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