[特集インタビュー]
2012年10月号 216号
(2012/09/15)
スピード感を持って提携を判断
-- KDDIは今年2月1日、有望なベンチャー企業の支援を目的に、運用総額50億円のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)「KDDI Open Innovation Fund」を設立しました。KDDIとしては初めてのファンドになりますが、設立の背景は?
江幡 「携帯によるインターネット通信が始まったのが1999年です。当社でいうとEZウェブですが、これに関連してモバイル向けのインターネットプラットフォームとそれに紐付けた決済プラットフォームをつくりました。その上にさまざまなコンテンツをもつプロバイダーの方々がモバイル向けにコンテンツを提供し始めたわけです。さらに2000年くらいから、例えば通信会社が異なると携帯メールをやりとりするときのメールの絵文字みたいなものが全部異なって正しく表示されないとかっていうことに対して、それを変換するサービスをプロバイダの方と一緒に提供したり、そのあと携帯ナビ、歩行者ナビ、携帯を使ったカーナビのサービスなどもパートナの方と04年から始めました。こうしたサービスを提供するにあたって、われわれ通信会社が一から全部サービスをつくり上げるというのではスピード感に欠けます。そこで、外部にそういう技術を持っている方々、もしくはそういうノウハウをもっている方々と事業提携という形をしながらサービスを展開するという方法を取ってきたのです。着うたとか、着メロといった音楽系サービスを立ち上げるときもそうですし、電子書籍を配信する仕組みを提供する会社としてソニーや凸版印刷などと組んでブックリスタという会社を10年11月に立ち上げたりしてきました。要は外の方々と一緒に組んで事業をスピーディに進めるということに業界でもいち早く取り組んできたのです」
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