大型の案件も投資可能に
―― 2020年4月に総額850億円の第6号ファンドを設立されました。6号ファンド設立の経緯、投資戦略についてお聞かせください。
喜多 「5号ファンドは約600億円のファンドで、2020年の頭に13件目となる富士通インターコネクトテクノロジーズに投資を実行しました。これで新規の投資は終了し、これからは既存投資先の追加投資やエグジットに注力していくことになります。足元は、新型コロナの影響で苦戦している案件もありますが、全体的には非常にバランスの良いポートフォリオとなっていると思います。また、昨年はICI石井スポーツのヨドバシホールディングス様への株式譲渡、今年3月にはきずなホールディングスという葬儀会社の株式上場など、5号ファンド初期投資案件のイグジットが始まっている状況です。そこで、後継ファンドを立ち上げる必要があるということで、今回の6号ファンド設立となりました。
6号ファンドについても、基本的な投資戦略としては従来と同じく、中堅企業を中心に、事業承継案件や大企業子会社のカーブアウト案件への投資という戦略を継承していきますが、今回のファンドは対象企業に合わせた投資規模やストラクチャーに、より柔軟に対応できるようになっています」
―― 5号ファンドと具体的にどういう点が変わったのですか。
喜多 「5号ファンドに比べ、6号ファンドではエクイティサイズについての制約が緩和されました。例えば、少し大きめの投資案件に対し、LP投資家や他ファンド、事業会社と協調で取り組むことの自由度が増しています」
―― 従来より大型の案件でも投資可能になったということですね。
喜多 「5号ファンドの案件サイズは1件あたり平均で40億円ぐらいです。6号ファンドも基本的な投資戦略自体は変わりませんが、ファンド規模が大きくなり、各種制約が緩和されたことにより、平均的な案件サイズはもう少し大きくなると思います。実際に6号ファンドでは、企業価値で1000億円に近い案件も検討しています」
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