テレビ、WEB、DM事業で総合的な支援を展開 トライステージは米投資ファンドのベインキャピタル(公開買付者はBCJ-60)と組んで
TOB(株式公開買い付け)を実施、
MBO(経営陣による買収)によって2022年8月22日をもって東証グロース市場への上場が廃止となった。その後、丸田氏と大株主である双日はトライステージを100%子会社とするベインキャピタルの新生トライステージに丸田氏が23%、双日が10%再出資している。
トライステージは2006年3月、顧客と直接コミュニケーションをとりながら購入を働きかける“ダイレクトマーケティング”事業を実施する企業に対して、テレビやインターネット等のメディアを使用した商品・サービスの販売や集客のサポート、顧客管理に至るまでのプロセスの各種ソリューションを提供することを目的として広告代理店出身の丸田昭雄氏等3人で設立された。
トライステージは、テレビ事業、WEB事業、DM事業によってダイレクトマーケティング実施会社のための総合的な支援を行っており、2022年2月期通期実績は、売上高475億1900万円(前期比0.6%減)、営業利益13億4900万円(同2.2%増)、経常利益は13億4400万円(同0.7%増)、当期純利益は8億4400万円(同0.4%減)だった。
同社の強みは、テレビ事業では通販企業に対して、テレビ通販に適した媒体提供や、通販番組の企画・制作、受注業務などをワンストップで支援する総合展開力、また、DM事業での年間3億通の取扱い実績による業界トップクラスの規模のメリット、WEB事業では子会社アドフレックス・コミュニケーションズを中心として、リスティング広告の最適化を始めとするAIツールの積極導入やクライアント視点に立った専門性の高いコンサルティングサービスの提供にある。
同社は2022年4月に、2024年2月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「Tri’s vision 2024」を発表したが、新型コロナウイルスの影響の長期化、事業環境の変化を加味して2025年2月期を最終年度とした修正中期経営計画を発表している。
ベインキャピタルは、1984年の創業以来約1600億ドルの資産を運用する世界最大級の投資会社。2005年に日本進出し、ジュピターショップチャンネル、
ドミノピザ・ジャパン、
ベルシステム24、
すかいらーく、
大江戸温泉物語、
雪国まいたけ、
東芝メモリ(現キオクシア)、日立金属、
ニチイ学館、
キリン堂ホールディングス、
with等、26社の投資実績を持っている。
商品開発から顧客管理に至るまでのサービスを総合的に提供し、支援サービスを行うのは同社のみというユニークな存在であるトライステージが、何故ベインキャピタルと組んでMBOを実施したのか。ベインキャピタルはどのような成長戦略を描いているのかについて、西直史・ベインキャピタル マネージングディレクターに聞いた。
<インタビュー>
新技術を活用したマーケティング支援体制に事業転換し、成長を加速
西 直史(ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLC マネージングディレクター)
マーケティング関連のサービス企業への投資実績を評価
―― トライステージがベインキャピタルと組んでMBOしました。まず、今回のMBOをベインキャピタルが支援するに至った経緯についてお聞かせください。