個人消費は依然としてコロナ禍前の水準に届いていない。そうした中でも成長し続けているのが家具・インテリア市場だ。在宅時間が増加したことで家具の買い替え需要が進んだこと、リモート会議やZOOM飲み会などで自宅を映す機会が増えたことで「映える家具」ニーズも増えている。家具だけでは消費者ニーズを満たせなくなっており、家電業界やアパレル業界などを巻き込んだ異業種連携も多くなってきた。拡大する家具・インテリア市場の裏側で起きている消費者意識の変化と企業の取り組みについて考察する。 一人勝ち状態の家具・インテリア市場 家具・インテリア市場の好調さは家計消費の支出内訳をみても明らかだ。支出項目の中で最も高い伸びを示しているのが家具・家事用品である。直近はコロナ禍によって増加している面はあるものの、過去10年以上一人勝ち状態が続いているのがわかる(図表1)。家具・インテリア市場の好調さは一過性の現象ではない。 図表1 家計の品目別支出額の推移(2007=100) ...■ 藤原 裕之(ふじわら ひろゆき) 略歴: 弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社、一般社団法人日本リサーチ総合研究所を経て、2020年4月より合同会社センスクリエイト総合研究所代表。株式会社東京商工リサーチ客員研究員を兼任。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。ブログサイト「藤原裕之のブログ アートとサイエンスの「あいだ」」を運営。 ※詳しい経歴・実績はこちら ※お問い合わせ先:hiroyuki.fujiwara@sense-create.co.jp