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[特集・特別インタビュー]

2017年7月号 273号

(2017/06/15)

[PEファンドのトップに投資戦略を聞く②]独自の「ハイブリッド投資」で日本型バイアウトをさらに拡大

 佐山 展生(インテグラル 代表取締役パートナー)

佐山 展生(さやま・のぶお)

ファンド設立の環境変化

-- インテグラルは、2017年4月に「インテグラル3号投資事業有限責任組合」(以下3号ファンド)を総額730億円で設定完了しました。10年設定完了した1号ファンドが総額112億円、14年11月設定完了した2号ファンドが総額442億円だったわけですが、ファンド組成の環境の変化についてどのように見ていますか。

「1号ファンドは08年9月1日に44億円でファーストクロージングをしました。当初の予想では200億円は無理なく達成できると見ていました。ところが、2週間後の9月15日にリーマンショックが起きて世界的金融危機が発生したために一気に様相が変わってしまいました。それでも何とか112億円で設定を完了したという状況でした。

  この1号ファンドを募集した時に、日本の機関投資家のほとんどの方から言われたことは、我々のファンド運営の特徴の1つである、ファンド資金の投資のみならずプリンシパル・インベストメント(自己投資)もするという『ハイブリッド投資』について、自己投資はチェリーピック(良いとこ取り)するのではないのかということでした。要は、『おいしいところだけを自己資金投資で取るのではないか』と。『いや、そんなことはなくて基本的に自分たちも投資先に長期にコミットするために自己投資をしているのです』と説明しても機関投資家の皆さんの中にはまだ疑心暗鬼の方もおられました。さらに、海外の機関投資家を回った時に驚いたのは、香港やシンガポールの機関投資家でさえ日本担当者がおられなかったり、あるいはおられても日本人ではないというところがほとんど。投資家の皆さんが日本への投資にほとんど興味のない、そんな時代だったのです。その頃、海外の機関投資家の皆さんがおっしゃったのは、とにかくこれからの投資先は中国、インド、それからオーストラリアだと」

-- 日本パッシングですね。

「日本に対する投資には全然興味なしという状況でした。それが、2号ファンドになると大分対応が変わってきまして、まず、日本の機関投資家の中でチェリーピックではないのかと言われるところはどこもありませんでした。これはなぜかというと、1号ファンドでは、BPS、ヨウジヤマモト、SHICATA、TYO、アパマンショップ、ファイベスト、TBIなどへの投資を実行して、運用成績が概ね目標通りIRR30%、投資倍率も約3倍と非常に順調に推移していましたので、その実績をご覧になって、我々が行った自己投資が日本では有効であるということを認識していただいたからです。ところが、2号ファンドの時に、今度は海外の機関投資家の皆さんが自己資金投資はチェリーピックするのではないかとおっしゃった。1号ファンドで日本の機関投資家の方にハイブリッド投資について説明した同じことを、2号ファンドではで海外の機関投資家に申し上げた。その結果、ご理解いただいた一部の機関投資家に43億円分だけ入っていただきました。ですから、2号ファンドの442億円のうちのメインは国内という状況でした。

  今回の3号ファンドは非常に皆さんの反応は良かったです。もちろん国内の機関投資家は一切チェリーピックについておっしゃいませんでしたが、海外の機関投資家の方も2号ファンドの時とは違ってチェリーピックではないかと言う人が6割、言わない人が4割という比率にまで上がってきました。要はプリンシパルインベストメントの効果というのを認識して頂いた機関投資家さんが増えてきたというのが特徴だと思います。それと、3号ファンドについては国内外の機関投資家からもっと出資したいとおっしゃっていただきましたが、やはり確実に、きっちりと投資をしていこうということで730億円に抑えたという経緯があります。そういう意味では1号ファンドの時と3号ファンドでは間違いなく大きな変化が見られます」

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