ソニーグループは2023年5月18日、20年に
完全子会社化したソニーフィナンシャルグループ(SFGI)のパーシャルスピンオフ(PSO)を検討する、と発表した。PSOは大企業を由来とするスタートアップ企業の創出や
企業価値向上に向けた事業再編を促進するため、元の親会社に一部(20%未満)の持ち分を残す
スピンオフのことである。このPSOを広く浸透させるべく、PSO税制が23年4月に1年の期間 (24年3月末まで)で導入された。これは、一定の要件(
産業競争力強化法の事業再編計画の認定を受けていることなど)を満たせば、株式を20%未満保有しつつ、実質非課税(株式の現物配当を行った親会社や親会社株主の課税が繰り延べられる)で完全子会社を外部に切り出すことが可能になる。日本でPSOは始まったばかりであるが、海外での活用事例では、ドイツのシーメンスが照明事業子会社のオスラムをスピンオフ、80.5%の株式を株主に配分した例(2013年)や米国のアルコアがアルミニウム上流事業をスピンオフし、80.1%を株主に分配した例(2016年)などがある(朝日新聞Digital 論座23年2月8日)。
ソニーグループはSFGIの株式20%未満を保有することで、…