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[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2021年7月号 321号

(2021/06/15)

赤字のベンチャー企業「イグニス」に投資したベインキャピタルの成算

―― マッチングアプリで急成長したマザーズ銘柄の更なる成長加速を支援

西 直史(にし・なおふみ)

西 直史(にし・なおふみ)

東京大学教養学部学士、修士(国際関係論専攻)、一高記念賞(首席)。スタンフォード大学経営学修士。2004年4月マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京、フランクフルト事務所にて、主に製造業、ハイテク・通信を中心とする企業に対してグローバル戦略立案、業務改善をはじめとする様々なテーマでのコンサルティングに従事。07年5月ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLC(旧ベインキャピタル・アジア・LLC)入社。

VRを中心とするエンターテック事業への先行投資で赤字に

 スマートフォンアプリ開発を行っているイグニス(東証マザーズ)の経営陣は2021年4月、ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン(以下ベインキャピタル)との共同出資会社(ベインキャピタル57%)を通じて全株式を取得、MBOを行った。

 イグニスは銭錕(せん・こん)氏が2010年に設立し、2014年に東証マザーズに上場を果たした急成長企業。同社の事業は、子会社であるwithが提供するオンライン恋愛・婚活マッチングサービス「with」を主要サービスとして展開する「マッチング事業」とVR(Virtual Reality)によるライブプラットフォームの運営やタレント等の発掘・育成・プロデュースを展開する「エンターテック事業」を主軸としている。

 マッチングアプリ「with」は、登録会員数が2021年3月末時点で450万人に達し、有料会員数も継続的に増加しておりマッチング事業の売上高及び営業利益は順調に伸長している。一方で、今後成長を見込んでいるVRを中心とするエンターテック事業は収益化を達成しておらず、事業拡大への先行投資のための資金需要が継続的に生じている状態で、この新サービスへの先行投資が膨らんだことから、20年9月期の連結最終損益は9億8000万円の赤字で、4期連続の最終赤字に陥っていた。

 イグニスグループの中長期的なさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには、マッチング事業、エンターテック事業等への経営資源を機動的に最適配分し、積極的な先行投資を行う必要があるが、その一方で、同グループの経営資源のみでは十分な投資及び成長戦略を実行できない可能性があることからベインキャピタルと組んだMBOの道を選んだ。

 ベインキャピタルは、1984年の創業以来約1200億ドルの資産を運用する世界最大級の投資会社。2005年に日本進出、ジュピターショップチャンネル、ドミノピザ・ジャパンベルシステム24すかいらーく大江戸温泉物語雪国まいたけアサツーディ・ケイ(ADK)、東芝メモリ(現キオクシア)、ニチイ学館キリン堂ホールディングスヘイ等、21社の投資実績を持っている。

 ベインキャピタルでイグニスのMBOを担当した西直史マネージングディレクターに、イグニスの今後の成長戦略を聞いた。

<インタビュー>
withとイグニスを分離してそれぞれの成長戦略を推進する

 西 直史(ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLC マネージングディレクター)

イグニスMBOの経緯

―― イグニスへの投資の経緯から教えてください。

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