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[地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」(日本政策投資銀行)]

(2019/10/10)

【第7回】福岡銀行 産業金融部M&A・事業承継グループ

聞き手:日本政策投資銀行 企業戦略部
                         
 地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」。第7回では、福岡銀行を訪問し、同行産業金融部M&A・事業承継グループの武重太郎(たけしげ たろう)部長代理、大津山聡(おおつやま さとし)調査役にお話をうかがいました。

 福岡銀行は、九州全域を営業基盤としつつ、地域金融機関版投資銀行業務とも言うべき体制を構築して、事業分析と様々なソリューションを組み合わせることで顧客企業の成長戦略の実現を支援しています。

1.M&A業務の戦略的・組織的位置づけ

 福岡銀行では、地域のお客様(顧客企業)の成長なくして、地域の発展なしという考え方に基づいて、顧客企業の成長戦略を支援しています。地域金融機関としての成長戦略の支援には、従来型の融資業務とストラクチャード・ファインナンス、戦略またはM&A等のアドバイザリーサービスといったソリューション業務の提供の両面がありますが、2016年4月より産業金融部を設けて、金融業界でプロダクトと称される後者の機能を一体的に提供する体制を整備して、「地域金融機関版投資銀行とも言える業務を推進しています」(武重部長代理)。

 地域金融機関は地域の幅広い顧客ニーズに対応することが大切で、そこには地域を牽引する役割を担う中核企業も含まれますが、福岡県には、多くの上場企業(筆者補足:2019年9月27日時点で84社)や同規模の非上場会社があります。こういった中核企業の成長支援には、先進的な金融ノウハウも必要になりますので、まさしく地域金融機関版投資銀行としての取り組みが不可欠になっています。

 また、あくまで顧客企業の成長戦略の支援を出発点に考えていますので、M&Aありきではなく、M&Aも手段の一つという位置付けです。産業金融部の後述のような機能を融合することで、地域・産業の構造・特徴やその中での顧客の特色を分析して優位性や課題を整理し、その優位性を生かしながら課題に対応するためのファイナンス・M&A・IPO支援などのソリューションを検討します。

【産業金融部の取組み】

 また、ソリューションの提供にあたっては、福岡銀行産業金融部のみならず、福岡銀行内の他部や福岡銀行の属するふくおかフィナンシャルグループのFFG証券、FFGビジネスコンサルティング等のグループ会社も含めた、ふくおかフィナンシャルグループ全体としての最適な組み合わせにより提供しています。

 福岡銀行を含むふくおかフィナンシャルグループは、2019年4月~2022年3月を計画期間とする第6次中期経営計画において、長期ビジョン「ザ・ベスト リージョナルバンク」の実現に向けた5つの基本戦略を設定していますが、その一つが「事業モデルの高度化」です。法人金融サービスの事業モデルの高度化が、上述のような取り組みを一層推進していくこととも言えます。

 このような位置付けにあるM&A業務は、深刻化する事業承継問題に対応するというのみならず、成長戦略という観点を重視して取り組んでいます。

2.M&A業務の体制・体制構築までの道程と業務推進状況

(1)M&Aの業務体制

   福岡銀行の産業金融部は、「M&A・事業承継グループ」「コーポレートアドバイザリーグループ」「ストラクチャードファイナンスグループ」から構成され、総勢57名(2019年8月23日現在)が所属しています(詳細は、下図参照)。

【産業金融部の業務体制】


 産業金融部のコーポレートアドバイザリーグループでは、コーポレートアドバイザリーチームで提供する個別企業単位での財務・戦略立案、事業再生、ファンド・LBO等の活用といったコンサルティングサービスに加えて、産業調査チームで業界分析を行っています。特に、中核企業の成長戦略を支援するためには、このような戦略面からのアプローチを用いて顧客ニーズを深堀し、単純な取引に留まらないソリューションを提供していくことも必要になってきます。

 また、ストラクチャードファイナンスグループでは、「PPP・PFI」「不動産」「エネルギー」「船舶」「航空機」などのチームを設けて、高度な専門性が求められる分野でもソリューションを提供できるような体制としています。

 この2グループに、M&Aチーム15名と事業承継チーム4名からなるM&A・事業承継グループを加えることで、ファイナンス以外のソリューションを一体的に提供する産業金融部が成り立っています。

 また、産業金融部の特徴として、福岡銀行のみならず、ふくおかフィナンシャルグループの熊本銀行と親和銀行のプロダクト機能も一元的に対応していることが挙げられます。M&A・事業承継チームも2010年に7名体制となって以降概ね10名弱の人員で推移してきましたが、M&Aの強化を図っていたことに加えて産業金融部に改編した2016年に親和銀行と熊本銀行のM&Aも集約したこともあり15名体制となりました。

 ふくおかフィナンシャルグループでは、九州全域のネットワークを有する広域展開型地域金融グループを形成し、シングルプラットフォーム・マルチブランド等の基本的な経営スタイルで様々な活動を展開していますが、この組織再編もその一つと言えるかもしれません。顧客企業との接点となる営業店や営業店の支援機能を果たす部門は福岡…

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