[マールインタビュー]

2022年6月号 332号

(2022/04/27)

あおぞら銀行のM&Aファイナンス~ファンドとの長期の信頼関係を保ち、大型案件を獲得

中里 弘樹(あおぞら銀行 執行役員 事業ファイナンス部長)
  • A,B,EXコース
※本記事は、M&A専門誌マール 2022年6月号 通巻332号(2022/5/18発売予定)の記事です。速報性を重視し、先行リリースしました。 
中里 弘樹(なかざと・ひろき)

中里 弘樹(なかざと・ひろき)

1992年日本債券信用銀行入行、2016年7月事業ファイナンス部担当部長、2018年7月事業ファイナンス部長、2020年7月執行役員事業ファイナンス部長、2021年7月執行役員事業法人営業副本部長兼事業ファイナンス部長、2022年4月執行役員事業ファイナンス本部長兼環境ビジネス本部長兼環境ファイナンス部長

シニアローンだけではなく
エクイティ投資も実施


―― 貸し手の立場から、現在のM&A市場をどう見られていますか。

「当行がLBOファイナンスを始めた約20年前とは様変わりでとても市場は活発です。第一に、特にこの数年間は大きなメーカーのカーブアウトの動きが完全に定着しています。第二が、事業承継案件の増加で、いよいよ経営者の高齢化により事業承継が待ったなしになっています。企業経営者が事業承継対応策を考える中で、加速度的に企業経営者への投資ファンドの認知度も上がりました。中堅・中小企業の事業承継では日本のファンドが中心になってリスクマネーを供給する動きもあり、ローカライズが成功しています」

―― あおぞら銀行におけるLBOファイナンスの定義・位置づけについて教えて下さい。

「当行におけるLBOファイナンスは、『M&Aを伴うファイナンス』ということです。PEファンド等がレバレッジをかけて対象会社を買収するための資金を出すということです。返済原資はターゲットとなる会社のキャッシュフローや対象会社の資産等の企業価値であり、自社の事業運営に必要な資金の意味合いではなく、会社を買収するためのPEファンドにとっての資金です。これはMBOファイナンスの構造も同じです。MBOはスポンサーである経営陣がレバレッジを効かせて自社株式を買うという行為であり、これもM&Aファイナンスに含まれます。

 あおぞら銀行は事業ファイナンス部でM&Aファイナンスに取り組んでいますが、商品ラインナップとしては、シニアローン、メザニンローン、優先株式を扱っています。優先株式にもデット性のものとエクイティの色が濃いものがあります。ローン以外のエクイティ投資については、当行のマーチャントバンキング部や関連会社のAZスターなどのPEファンドにおいて、取り組んでいます」

旧日債銀時代からの長い歴史

―― LBO市場では、3メガバンクを中心にいろいろな取り組みがなされていますが、あおぞら銀行の強みは何ですか。

「日本の3メガを含む大手行のほか、最近では地域金融機関もLBOを始めています。

 一つ、取り組みの歴史の違いは大きいと思っています。我々は1990年代後半からこのマーケットで活動しLBOのマーケットと共に歩んできたので、その経験が今のファイナンスのストラクチャーや契約書の建て付け、ローンの規律、コベナンツにも生かされていると考えています。

 当行の母体となる旧日本債券信用銀行は国有化から脱却したのち

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