M&A専門誌マール 2019年12月号 302号(2019/11/15発売)

特集: M&A関連法制と実務の最新動向[2019年版]

本特集座談会では、弁護士・武井一浩氏の司会・進行のもと、ヘッジファンド・アクティビズムに詳しい弁護士の石﨑泰哲氏、明治大学教授 三和裕美子氏、成城大学教授 山田剛志氏にお集まりいただき、「2019年の企業法制の振り返りと論点」と題して議論いただいた。
19年は、M&A実務に大きな影響を及ぼすMBO指針(07年)の改訂版「公正なM&Aの在り方に関する指針」や親子上場の在り方を含む「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」の公表、スチュワードシップ・コードの改定作業の開始など、ソフトローの分野で大きな動きがあり(第1部)、買収防衛策に関する重要な判例(ヨロズ事件東京高裁決定)(第3部)も注目されたが、中でも目立ったのがヘッジファンド・アクティビズムの活発化だろう(第2部)。本座談会では、特に、ヘッジファンド・アクティビズムに焦点を絞り、欧米における状況や議論をフォローしつつ、日本における課題について議論いただいた。
19年8月、米ビジネス・ラウンドテーブルは「コーポレート・ガバナンスに関する声明」に明記していた「株主第一主義」を22年ぶりに修正し、「顧客」「従業員」「取引先」「社会」「株主」といった幅広いステークホルダーに配慮するとした。超一流の米大企業のCEO181人が署名しており、米企業にとっては大きなパラダイムシフトともみられる。そしてその背景に、アクティビストファンドなどの過激な圧力、ショートターミズムの弊害が指摘される。欧州では、ショートターミズムに対する様々な抑制策が早くから講じられてきており、米国でも、格差拡大や社会の分断といった観点も含め大きな課題となってきたことは間違いないだろう。他方、日本では、ガバナンス改革の流れの中で、アクトビストによる提案・対話を経営改革や企業価値向上に繋がるものとして期待する見方もある。ヘッジファンド・アクティビズム本格上陸の19年。いかに対応していくか。先に洗礼を受けた欧米の動向から目が離せない。

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